音楽とギャンブルは一見関連のないもの同士に見えますが、どちらも娯楽の一種という点が共通しています。カジノで生演奏が行われることもよくあるもので、本格的なライブ音楽が流れるような魅力的なカジノでは、ゲストのギャンブル意欲がかき立てられ、そこで過ごす時間や体験を思い出深いものにしてくれるのです。

実際、音楽とギャンブルには古くから結びつきがありました。人は何世代にもわたって、ギャンブルのスリルや興奮度に魅了されてきましたが、音響効果が人々のギャンブル行動にどのような影響を与えるかに関する専門的で深い分析はいまだにされていません。

ただ、音楽のジャンルとテンポが、ギャンブル中に人がとるリスクの大小に影響するという証拠が見つかっています。この記事ではそれに関するいくつかの研究と、カジノなどの施設がゲストのギャンブル熱を煽るために、音楽を利用している事実について見ていきます。

音楽とギャンブル行動との関連性については、長年にわたって幅広い研究が行われてきました。それらの研究の多くが、音楽が実際にギャンブル行動に影響を与えることを明らかにしていますが、その影響の中身に関してはまだ十分に検証されていません。ある研究では、音楽がギャンブル中の興奮度を高め、危険なギャンブル習慣を引き起こすと要因になると報告されている一方で、別の研究では、音楽はギャンブルから引き起こされる興奮感を抑え、ギャンブルの有害な影響を軽減することが示唆されているのです。ここでは、音楽とギャンブル行動の関係性に関する科学的な文献を簡単にまとめ、音楽がギャンブル行動に影響を与えると考えられる理由について説明していきます。

1990年代初頭、音楽が人のギャンブル行動に与える影響を明らかにすることを目的に、最初の実証的な研究が行われました。この研究では、人によって音楽が興奮を高める刺激要素として機能し、より危険なギャンブル行動を引き起こすことが分かりました。

例えば、ギャンブル中にテンポの速い音楽を聴くと、人はより大きな賭けに出たり、より高いリスクを取ったりする傾向があったのです。また別の実験では、さまざまなジャンルの音楽を聴きながらギャンブルをするシミュレーションを行いました。その結果、テクノ系の音楽を聴いていた人の方が、そうでない人よりもリスクを取る傾向が強いことが分かったのです。

音楽によって、カジノの楽しさが変わる?

音楽は、カジノでの体験を向上させるのに重要な役割を果たします。ゲームフロアで行われているアクティビティとゲストとをつなぐ役目を果たすのが音楽だからです。そのため、BGMの選択によっては、ゲストのゲーム体験がより素晴らしいものになることもあれば、その反対になることもあります。例えば、『ライオンはねている』が流れてきたら、誰もが口ずさんだり、リズムにのったりしたくなるでしょう。

音楽には、カジノでのゲーム体験をより盛り上げ、プレイヤーをより熱くさせる効果があります。スロットマシンやテーブルゲームのプレイヤーたちがカジノで流れるBGMに耳を傾けていることや、音楽が流れていることで、ギャンブル中により満ち足りて、落ち着いた気分になっていることも研究の中で明らかになっています。参加者に心地よい音楽を聴きながらスロットマシンをプレイしてもらう実験では、音楽を聴きながらプレイした人の方が、BGMをかけずにプレイした人よりも、楽しさやリラックス感が大幅に向上することが分かりました。